今日は神戸三ノ宮のBAR IT’S(バーイッツ)が、クラシックカクテルの中でもとりわけ美しい名前を持つ一杯、ジャックローズ(Jack Rose)についてご紹介したいと思います。
ジャックローズは、りんごの蒸留酒をベースに、柑橘の酸味とグレナデンのほのかな甘みを重ねたショートカクテルです。
グラスの中に浮かぶ色合いは、その名の通り薔薇を思わせる赤みを帯び、可憐な印象がありながら、味わいは決して軽薄ではありません。
むしろ、シンプルな構成だからこそ素材の差がはっきり表れ、BARで飲むとバーテンダーごとの解釈がよくわかる、実に奥深いカクテルです。

ジャックローズとはどんなカクテルか
一般的には、アップルジャック、あるいはカルヴァドスのようなアップルブランデーに、ライムジュースとグレナデンシロップを合わせてシェークし、カクテルグラスに注ぐスタイルが広く知られています。
レシピだけ見ると非常に簡潔ですが、そのぶん誤魔化しが利きません。
りんご由来の香りが弱ければ印象がぼやけ、柑橘が強すぎればただ尖っただけの味になる。
グレナデンが甘すぎれば野暮ったく、逆に控えすぎるとジャックローズ特有の艶が消えてしまいます。
つまりジャックローズは、華やかな見た目に反して、かなりストイックなカクテルです。
神戸や三ノ宮のBARでオーダーするときも、この一杯をどう組み立てるかで、その店の美意識が見えてきます。
ジャックローズの由来は実は一つではない
ジャックローズが誕生したのは19世紀末から20世紀初頭と言われ、1900年代初頭のアメリカのカクテルブックにもすでに登場しています。
それだけに、この一杯の名の由来にはいくつかの説があります。
1900年代初頭のアメリカで知られた人物、Bald Jack Rose に由来するという説。
ニュージャージーのバーテンダー Frank J. May が “Jack Rose” の通称で呼ばれていたことから名づけられたという説。
また、ニュージャージー州で造られていたアップルブランデー「Laird Applejack」を使ったドリンクが発展し、その薔薇色の色合いから「ジャックローズ」と呼ばれるようになったという説もあります。
さらに、薔薇の品種 Jacqueminot Rose の色に似ているから、という説まであります。

こうした諸説が並び立つのも、ジャックローズが20世紀初頭のアメリカで、すでに広く親しまれていた人気カクテルだった証拠なのでしょう。
映画『タイタニック』の公開後、主人公ジャックとローズの名前を連想してこのカクテルが注目された、という逸話を目にすることもありますが、実際にはそれよりはるか以前から飲まれている歴史あるカクテルです。
ちなみに余談ですが、映画『タイタニック』にはカクテルを飲む印象的な場面はありませんが、史実としてタイタニック号で供されていたカクテルのひとつに Punch Romaine があったと伝えられています。
もっとも自然に思えるのは、Applejack の “Jack” と、薔薇色の “Rose” を合わせたという説です。
見た目と材料を考えれば、この説明がいちばん有力かもしれません。
ちなみにApplejack とは、りんごを原料にしたアメリカの伝統的な蒸留酒です。
ジャックローズのベースとして使われる、重要なスピリッツのひとつですね。
りんごを発酵させ、それを蒸留してアルコール度数を高めたお酒で、味わいにはブランデーに通じる果実感と、どこか素朴で野性的なニュアンスがあります。
フランスのりんごの蒸留酒であるカルヴァドスとよく比べられますが、
・Applejack はアメリカ生まれで、やや力強くラフな印象

・カルヴァドスはフランス生まれで、より繊細で上品な印象

という違いがあります。
そのため、同じジャックローズでも、Applejack で作ると少しアメリカンで骨格のある表情に、カルヴァドスで作ると洗練された表情になります。
神戸三ノ宮のBAR IT’S(バーイッツ)ではカルバドスを使用してジャックローズを作ります。
アップルジャックとカルヴァドスはどう違うのか
ここが、ジャックローズを少しマニアックに楽しむポイントです。
本来アメリカで生まれたジャックローズは、名前の通りアップルジャックを使うのが自然です。
アップルジャックはアメリカの酒文化を感じさせるベーススピリッツで、現在もっともよく知られているのは Laird’s 社のものです。
ただ、日本のBARではカルヴァドスで作ることが非常に多いです。
カルヴァドスはフランス・ノルマンディー地方のりんごの蒸留酒で、アップルジャックよりも香りが端正で、樽由来のニュアンスが上品に出るものが多い印象です。
同じジャックローズでも、アップルジャックなら少し野性味があり、カルヴァドスなら洗練された表情になる。
この違いを飲み比べると、ジャックローズというカクテルの輪郭がぐっと立体的に見えてきます。
ライムかレモンか、それもまたBARの個性
文献やレシピを見ていくと、ジャックローズの柑橘はライムで作るもの、レモンで作るもの、その両方が存在します。
現代の日本ではライムを使うレシピをよく見かけますが、Laird 社の公式レシピではレモンが採用されています。
ライムを使うと輪郭がシャープになり、色の印象も引き締まる。
レモンを使うと酸味がやや丸く、りんごの香りがふくよかに感じられます。
神戸のBARでジャックローズを頼むときも、今日はライム寄りの切れ味が飲みたいのか、レモン寄りの柔らかさが欲しいのか、そんな気分で選ぶのも面白いはずです。
ジャックローズはなぜ今また面白いのか
ジャックローズは1920年代から1930年代にかけて人気を集め、その後やや古典として扱われる時代を経ました。
けれど近年のクラシックカクテル再評価の流れの中で、再び存在感を増しています。
理由は単純で、完成度が高いカクテルだからです。
ベースはりんご。
そこに柑橘の酸味、グレナデンの甘み、薔薇色の視覚的な華やかさ。
これだけの要素を持ちながら、飲み口は決して重すぎない。
派手ではないのに印象に残る。
まさにクラシックカクテルらしい気品があります。
BARでジャックローズを頼む面白さ
ジントニックやマティーニほど定番ではないからこそ、ジャックローズを頼むとそのBARの考え方が見えてきます。
アップルジャックでアメリカらしさを出すのか。
カルヴァドスで品よくまとめるのか。
グレナデンを既製品で整えるのか、自家製でザクロの風味を立たせるのか。
ライムを主役にするのか、りんごの香りを前に出すのか。
一見同じ名前のカクテルでも、グラスの中身は驚くほど違います。
だからこそ、三ノ宮でBARを歩くなら、ジャックローズはBARホッピングにふさわしい一杯でもあります。
同じ名のカクテルでありながら、店が変われば表情も変わる。そこにこそ、この一杯を追いかける愉しみがあります。
沖縄・那覇の松山に「バーバーリコース」というオーセンティックなBARがあります。
入口にはいつも真紅の薔薇が凛と生けられていて、その佇まいに触れるたび、思わずジャックローズを頼みたくなります。
店を切り盛りするマスターは、どこか張りつめた美意識を湛えた方で、カクテルばかりを立て続けに頼んでいると、ふと「うちはそういうBARじゃないよ」と嗜められることもあります。
けれど、その厳しさすら空間の品格の一部に思えてしまうほど、そのBARには独特の魅力があります。
酒はもちろん、フードも驚くほど素晴らしく、あの一軒を訪ねるために沖縄へ向かいたくなる。そう思わせるだけの力を持った、古くからある美しいBARです。
バーバーリーコーストの情報は
こちらから

旬のザクロかグレナデンシロップか
ジャックローズを語るうえで欠かせないのが、グレナデンシロップの存在です。
グレナデンという名前からもわかるように、もともとはザクロを原料にしたシロップで、この一杯の美しい赤みと、やわらかな甘酸っぱさを支えている重要な要素です。
秋から初冬にかけて旬を迎えるザクロは、華やかな果実味の奥に、どこか落ち着いた酸味とほのかな渋みを持っています。
その表情は、ただ甘いだけでは終わらないジャックローズの魅力とよく重なります。
りんごの蒸留酒が持つふくらみ、ライムのシャープな酸、そしてザクロ由来の赤いニュアンス。
この三つが重なることで、ジャックローズは可憐なだけではない、少し大人びた気配を帯びたカクテルになります。
もし自家製のグレナデンを用いるBARであれば、ジャックローズの表情はさらに奥行きを増します。
既製のシロップが甘みを前面に押し出しやすいのに対して、ザクロそのものの香りをきちんと湛えたグレナデンは、果実味に陰影をもたらし、後味にまで静かな品格を残します。
とりわけザクロの旬の時季にジャックローズをオーダーし、バーテンダーから「今日はフレッシュのザクロがあります」と告げられたなら、それはぜひ選ぶべき一杯でしょう。
瑞々しい果実から引き出された酸味とほのかな渋みは、りんごの蒸留酒と美しく重なり、グラスの中に季節そのものを閉じ込めたような印象を生みます。
旬のザクロで仕立てたジャックローズは、もはや単なるクラシックカクテルではありません。
その時季にしか出会えない果実の気配まで味わわせてくれる、静かに贅沢な一杯として立ち上がってきます。
ジャックローズのアルコール度数と味わい
ショートカクテルゆえ、口当たりの印象以上にアルコールの骨格はしっかりと備えています。
もっとも、マティーニのように研ぎ澄まされた強さで迫るのではなく、果実味と酸味が先に立つため、飲み心地は意外なほど滑らかです。
そのため、つい軽やかな一杯として受け取ってしまいがちですが、実際には静かに輪郭のある酒です。
やわらかな表情の奥にきちんとした度数を秘めているからこそ、飲み進めるうちに思いのほか酔いが深まることもあるのでお気をつけてください。
ジャックローズは、可憐さの中に確かな芯を宿した、大人のショートカクテルと言えるでしょう。

神戸三ノ宮でジャックローズを飲むなら
神戸は港町らしく、どこか異国の文化を自然に受け入れてきた街です。
アメリカ生まれとも、薔薇の名に由来するとも言われるジャックローズは、そうした神戸の空気にもよく似合います。
可憐な名前と、きりっとした味わい。
華やかさと古典性が同居するこのカクテルは、BAR初心者の方にも、クラシックカクテル好きの方にもおすすめしやすい一杯です。

赤色のカクテル。
静かで美しい。
ジャックローズは、そんな一杯です。
神戸三ノ宮のBAR IT’s(バーイッツ)では、お一人様でもゆったりとお過ごしいただけるカウンター席、グループでお楽しみいただけるテーブル席をご用意しております。
店内には季節の生花を飾り、落ち着いた空間で皆さまをお迎えいたします。

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
事前のご予約は
こちらから
森田恭通氏デザインの落ち着いた雰囲気の神戸のBAR IT`S(バーイッツ)
カウンター10席/テーブル4名様席×3
●ドリンク ¥700〜
●ウイスキー ¥700〜
●カクテル ¥800〜
●フレッシュフルーツカクテル ¥1000〜
店舗情報
神戸市中央区下山手通2-12-20-5F
三宮駅、元町駅より徒歩7分
ドンキホーテから北側へ徒歩1分
078-321-1177
19:00〜3:00(最終入店時間2:00)
年中無休
#三宮バー #神戸バー #三ノ宮バー#三宮グルメ #三ノ宮グルメ#神戸グルメ #三宮デート #三宮bar #神戸bar #三宮飲み #神戸飲み #神戸観光 #神戸デート #kobebar #三宮 #神戸女子会 #三宮女子会 #三ノ宮デート #神戸#三宮#森田恭通 #神戸おしゃれバー #神戸おしゃれBAR #深夜バー神戸 #深夜BAR神戸 #森田恭通 #ジャックローズ
バーテンダーのカクテルBook
コスモポリタンについては
こちら
エスプレッソマティーニについては
こちら
©️MAGNET INC.